生後11日の長男の顔を押さえつけて殺害しようとしたとして、埼玉県警吉川署は20日、母親の女(24)=埼玉県三郷市早稲田2=を殺人未遂容疑で逮捕した。「育児が嫌になってやってしまった」と認めているという。
逮捕容疑は20日午前0時20分ごろ、自宅アパートで長男の顔を毛布のような物で押さえつけて殺害しようとしたとしている。
県警によると、19日午後9時ごろ、女と夫(27)はリビングで長男を寝かしつけ、隣の寝室で就寝。翌20日午前6時35分ごろ、女に起こされた夫がぐったりしている長男に気づき、「子どもの心臓が止まった」と119番した。長男は自発呼吸を取り戻したが、脳に深刻な障害が残る恐れがあるという。
女は18日午前に自殺未遂を起こし、手首に軽傷を負って病院に搬送されたが、当時は長男に異常はなかったという。県警は心理的虐待の恐れがあるとして、20日に児童相談所へ書面で通告する予定だった。
東京都監察医務院と順天堂大の調査で、2014年までの10年間で妊娠から産後1年以内に自殺した女性は、23区内だけで63人いたことがわかった。このうち産後は40人で、5割が産後うつなど精神疾患の診断を受けていた。
出生10万人あたりの妊産婦の自殺数は8・7人で、23区内の出血などによる死亡数(産後42日未満)3・9人を上回っていた。