愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者が脱走した事件で、広島県警は30日、受刑者の平尾龍磨容疑者(27)=逃走容疑などで指名手配=を広島市内で確保し、逃走容疑で逮捕した。平尾容疑者は8日夜に作業場の寮から脱走。現金や衣類が盗まれる被害が相次いだ広島県尾道市の向(むかい)島(しま)に潜伏しているとみられていたが、島から西に約70キロ離れた地点で22日ぶりに確保された。
広島県警などによると、平尾容疑者が見つかったのは、広島市南区の路上。30日正午前に、県警の捜査員が平尾容疑者によく似た男を発見、捜査員が身柄を確保し、指紋などから本人と確認した。調べに対し、島外へは「海を泳いで渡った」と供述しているという。
今治市と瀬戸内しまなみ海道で結ばれている向島の北東部では9日以降、山手の民家などから現金や衣類などが盗まれる窃盗被害が7件発覚。車上荒らしの現場で平尾容疑者の指紋や一致するDNA型が検出された10日朝以降は痕跡が確認できなかったが、近くの岩屋山(標高約100メートル)に設置された防犯カメラが同容疑者に酷似した不審者の姿を24日夜に捉えていたことが判明。両県警は25日以降、岩屋山を24時間態勢で取り囲み、付近の空き家や山林を集中的に捜索していた。
平尾容疑者が緊急逮捕されたという一報を受け、マツダスタジアムからほど近い現場へ向かった。球場から徒歩で約5分。現場へ向かった午後0時50分ごろは、まだ同球場で同1時半から開始される広島-阪神戦の観戦のため、多くのファンが歩いている状況だった。
一部始終を目撃していたという近所の男性によると「平尾容疑者は警察官に追われて、ミラーによじ登って学校の敷地内に入ろうとしたところを取り押さえられていた」という。
阪神の取材でチームに帯同して、24日から松山、広島と移動していた。事件のことは報道で知っており、ひょっとして広島にいるのではと勝手に予測していたが、まさかマツダスタジアムにこんなに近い場所で、とは…。
近所で逮捕を知った人は「えっ? マツダのこんな近くで。まさか野球を見に来た訳でもないだろうに…」などと驚きを隠さなかった。
荒神町小学校は、JR広島駅までおよそ600メートル。私が今回の広島遠征の宿舎にしている中心部からマツダスタジアムまでバスで通る道でもある。荒神町小学校近くには派出所もある。
今月8日、愛媛県今治市の刑務所から脱走していた受刑者の男が、30日に広島市の路上で見つかり、逃走の疑いで逮捕されました。捜査関係者によりますと、調べに対し「潜伏していた島から海を泳いで本州側に渡ったあと電車で広島に来た」と供述しているということで、警察は逃走の詳しい経緯を調べることにしています。
逮捕されたのは、盗みなどの罪で服役中だった平尾龍磨容疑者(27)です。平尾容疑者は、今月8日に愛媛県今治市の松山刑務所の作業場から脱走し、警察は全国に指名手配をするとともに、広島県尾道市の向島に潜伏しているとみて捜索を続けました。
警察によりますと、30日午前、広島市南区のインターネットカフェの店員から「似た男が店を訪れた」と通報があったのを受けて、警察官が駆けつけたところ、店の付近の路上で平尾容疑者を見つけ、指紋が一致したことなどから、逃走の疑いで逮捕しました。
捜査関係者によりますと、調べに対し「今月24日ごろ、潜伏していた島から海を泳いで本州側に渡ったあと電車で広島に来た。逃げるのがしんどかった」と供述しているということです。
また、脱走の動機については「刑務所での人間関係が嫌になった」という趣旨の供述をしているということです。
これまでの調べで、特徴の似た人物が今月24日の夜に向島の山林付近に設置された防犯カメラに映っていたことがわかっています。警察は、平尾容疑者が1週間ほど前に瀬戸内海を泳いで移動して逃走を続けたとみて、詳しい経緯を調べることにしています。