東京電力は6日、福島第1原子力発電所(大熊、双葉町)で、協力企業の50代男性作業員が作業後に敷地外で倒れ、搬送先の病院で死亡が確認されたと発表した。死因や作業との因果関係は不明としている。
東電によると男性作業員は防護服を着用し、同日午前8時から汚染水用タンクの塗装に使う足場の解体作業に従事。休憩時間の午前10時40分ごろ、トイレで嘔吐、昼食後の午後0時45分ごろにも再度嘔吐した。その後、敷地外にある協力企業の事務所で午後1時45分ごろ、同僚と会話していた際に倒れ、双葉医療センターに搬送されたが午後4時に死亡が確認された。
作業前に行われた健康チェックでは問題がないと判断されていたという。
男性作業員は平成28年3月から同原発で働いていた。既往歴や服薬していたことは確認されているが、東電は具体的な病名までは明らかにしていない。
急性放射線症候群(英語: acute radiation syndrome, ARS)は、電離放射線を被曝した後、急性期(数日〜数ヶ月)に発生する一連の障害。放射線被曝による早発性障害のもっとも主たるものである。
症候
放射線宿酔
被曝後48時間以内の前駆期に出現するもので、悪心、嘔吐、全身倦怠など、二日酔いに似た非特異的症状である。自覚症状が出現するのはおおむね1Gy(グレイ)以上の全身被曝線量を受けた場合であるが、被曝から発症までの時間と重症度は被曝量によって異なる。