鹿児島市教育委員会は5日、市内の公立中3年の男子生徒が、2学期初日の3日に自宅で自殺したことを明らかにした。生徒は普段通り登校したが、夏休みの宿題を巡って担任教諭から個別指導を受け、帰宅後に自殺したとみられる。遺書はみつかっていない。学校は校内でトラブルがなかったか調べている。
市教委によると、生徒は3日の放課後、夏休みの宿題を一部提出しなかったため他の生徒数人と職員室に呼ばれ、午後1時ごろから10分程度、40代の担任の女性教諭に個別指導を受けた。指導は生徒の進路にも及び、生徒は泣いていたという。担任は自宅から宿題を持って来るように指示し、生徒は帰宅した。
午後5時ごろ、教室に生徒のかばんが残っていたため担任が生徒の母親に連絡。母親は午後6時ごろ帰宅し、自宅2階で首をつって亡くなっている生徒を見つけた。
学校の校長は市教委に「指導は一般的で厳しいものではなかったと聞いている」と説明しているという。
女性教諭を巡っては昨年末、生徒らに大声をあげるなどして保護者が学校側に改善を求めていた。数年前には生徒を正座させ、髪をつかむなどの体罰があったとして生徒側が学校に抗議していた。
市教委は4日夜、市立小中高校の臨時校長会で自殺予防に万全を期すよう求めた。自殺した生徒の学校には4日から臨床心理士を派遣して生徒や教職員の心のケアに当たっている。