日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本

海幸山幸
2009/2/11
3人の男の子が生まれ、ホデリはウミサチヒコ(海幸彦:漁師)となり、大小様々な魚をとり、ホオリはヤマサチヒコ(山幸彦:猟師)となり、大小様々な獣をとるようになっていた。

毎日同じ仕事をしてると、飽きてくるわけで、ある日ホオリは、兄のホデリに…

「なぁ、兄ちゃん。道具変えっこせえへん?」

兄がやってることをしたくなるのは、弟の性っちゅうもんですな。

兄のホデリは…

「あかん、あかん」

「もうウミサチ、ヤマサチって名前もついとるのに、今更何を言うとるねん」


しっかりものの兄は、弟の提案をたしなめると。

それでも、1度言い出すとやらな気がすまんのが、ガキっちゅうもんで、ホオリはさらに食い下がる。

「ええやん。なぁ、兄ちゃん変えっこしてえや」

何度も断るけど、しつこいホオリに根負けしたホオリは…

「しゃあないのぉ。そこまで言うんやったら変えたるわ」

しぶしぶ、弓と釣り竿を交換する。

ところが、ホオリは、1匹の魚も釣れず、しかも釣り針を海の中に落としてしまう。

兄のホデリも、同じように1匹も獲物が捕れずに帰って来て…

「やっぱり、自分の道具やないとあかんわ」

「お前の道具返すから、俺のも返してくれ」


釣り針を落としたホオリは…

「ええと…その…釣り針落としてもうた…」

それを聞いたホデリは…

「な〜にぃ!!」

(やっちまったな!!ってそんなギャグはいらんか)

「何しとんねん!!」

「だから嫌やって言うたやろ!!」

「どんなことしても返せよ!!」


そりゃ怒られるやろうけど、竿ならまだしも釣り針ぐらいで…

海に落とした釣り針を探すわけにもいかず、ホオリは自分の剣を折って、500本の釣り針を作って持って行くんやけど許してもらえず、さらに1000本の釣り針を作って持って行くとホデリは…

「そんな釣り針何本持ってきてもあかん!!」

「あの釣り針を持ってこい!!」


そんな無茶な…

途方にくれて、海辺で泣くホオリ。

「どないしょう…」

すると、そこにシオツチ(塩椎神:潮流の神様)がやってきて…

「何で泣いてんの?」

ホデリが、シオツチに事情を説明すると…

「そういうことなら、ワシにええ考えがある」

というと、シオツチは小舟を造り、ホデリを乗せると…

「潮の流れのまま行くと、魚のうろこのような宮殿につくわ」

「その宮殿はワタツミ(綿津見之神:海を支配する神)の宮殿なんやけど、その宮殿の門まで行ったら、門のそばの井戸の近くに桂の木があるから、その木に登って座っとき」

「そしたら、ワタツミの娘がそれを見て、何かええことを考えてくれるわ」

と、教えてくれたとさ。

この釣り針騒動、実は兄のホデリの策略やったりするねんなぁ。

はてさて、ホデリは釣り針を見つけることが出来るのか、兄弟喧嘩の結末は…

今回はここまで。

そう言えば、今日(2/11)は建国記念日やったな。

神武天皇が橿原で即位した日。

神武天皇、カムヤマトイワレビコが誕生するまであと少し。

古事記上巻が終わるまで、あと少しですわ。

あんまり人気ないけど…
ρ(‥、)ヾ(^ー^;)ヨシヨシ

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