◆ 安保法案「合憲」政府が見解

日本は「立憲君主国」なわけで、憲法違反の法案を出せるはずもなく、そりゃ政府は「合憲」って言うしかないわな。

政府見解は、集団的自衛権の行使を認める「新三要件」について、「憲法9条のもとでも、例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという、昭和47年(1972年)政府見解の基本的な論理を維持したものである」などとしている。

根拠は…

砂川事件

最高裁判所判決 最高裁判所(大法廷、裁判長・田中耕太郎長官)は、同年12月16日、「憲法第9条は日本が主権国として持つ固有の自衛権を否定しておらず、同条が禁止する戦力とは日本国が指揮・管理できる戦力のことであるから、外国の軍隊は戦力にあたらない。したがって、アメリカ軍の駐留は憲法及び前文の趣旨に反しない。他方で、日米安全保障条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」(統治行為論採用)として原判決を破棄し地裁に差し戻した。

これと…

1972年の自衛権に関する政府見解の全文

国際法上、国家は、いわゆる集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず、実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有しているものとされており、国際連合憲章第51条、日本国との平和条約第5条、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約前文並びに日本国とソビエト社会主義共和国連邦との共同宣言3第2段の規定は、この国際法の原則を宣明したものと思われる。

そして、わが国が国際法上右の集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然といわなければならない。

ところで、政府は、従来から一貰して、わが国は国際法上いわゆる集団的自衛権を有しているとしても、国権の発動としてこれを行使することは、憲法の容認する自衛の措置の限界をこえるものであって許されないとの立場に立っているが、これは次のような考え方に基くものである。

憲法は、第9条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において「全世界の国民が……平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第13条において「生命・自由及び幸福追求に対する国民の権利については、……国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることから、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。

しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。

そうだとすれば、わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。


これって事みたいやけど、砂川事件の最高裁判決は「個別的自衛権」の話やし、72年の政府見解は「集団的自衛権は持ってるけど行使はできない」って言うとるわけで、これを根拠に「合憲」って言うのは無理があるわな。

そもそも、憲法前文で…

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

って言うといて、憲法9条2項で、「前項の目的を達するため」っちゅう但し書きがあるとはいえ、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」って書いてあるんやから、どっからどう読んでも「自衛隊」は違憲やし、「個別的自衛権」も存在せん。

何せ、「平和愛する諸国民」を信頼して、日本を攻める国はないって事になっとるんやもん(笑)

ロシア、中国、朝鮮半島に囲まれてるのにねぇ(笑)

大人やから、「それはそれ、これはこれ」って話もできるけど、これを子供にどう説明すんの?

個人的には、自衛隊も必要やと思ってるし、集団的自衛権の行使も必要やと思ってるけど、この憲法で、それを「持てる」って子供に説明するのは無理がある。

だから、国会の答弁でこうやって行き詰まるねん。

まぁ、中国の南シナ海での膨脹が止らんので、このままじゃ危ないから、緊急避難として、この法案を強行採決するのはありでもええけど、どっちにしろ自衛隊に足かせをつけたまま戦わせるはめになるんで、安保法案を成立させて1、2年後までには憲法を改正するべき。

そうすりゃ、こんな下らん議論を聞かんでもよくなる。

ちゅうか、こんな状態で自衛隊を出しても、無駄に死なせるだけやで。

という事で、とっとと「国民投票」を実施して欲しいもんですな。

それでダメなら日本を諦めます。




詳細記事&コメント投稿


日本人のための憲法改正Q&A−−疑問と不安と誤解に答える決定版


前の記事

次の記事

TOPに戻る

Amazon.co.jpロゴ
i-mobile
モッピー | お金がたまるポイントサイト

ぶんぐ占い
ぶんぐ瓦版登録
ぶんぐ瓦版TOP