北海道は11日、ウイルスを持ったマダニにかまれて「ダニ媒介脳炎」を発症した道内の70代男性が死亡したと発表した。国内での感染確認はいずれも道内で今回が3例目。死者は2人目となる。
道保健福祉部によると、男性は6月中旬に発熱や意識障害などの症状が出たため函館市の病院に入院し、今月7日までに死亡した。マダニにかまれた状況は分かっていない。
道内では2016年8月に40代男性がダニ媒介脳炎を発症して死亡。これが全国初の死亡例だった。北海道大の研究チームが今年、札幌市内に生息するアライグマやネズミなどの野生動物84匹の血液を調査したところ、1割を超える10匹がダニ媒介脳炎のウイルスに感染していたことが判明した。
問3 どのような症状になるのですか?
答 潜伏期間は、通常7〜14日です。
中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2〜4日間続きます。そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣(けいれん)、眩暈(めまい)、知覚異常などがみられます。
ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの後、髄膜脳炎に進展します。発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では1〜2%、ロシア春夏脳炎は20%といわれており、回復しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。
問9 治療方法はありますか?
答 ダニ媒介脳炎に特異的な治療方法はありません。
なお、海外では、ガンマグロブリン製剤が使用されることがあります。