岡山県玉野市の渋川動物公園で今月1日から行方不明になっていた大型陸ガメのアルダブラゾウガメ「アブー」が16日午後、近くの林の中で見つかった。有力な手がかりがなく、渋川動物公園は発見者に50万円の懸賞金を払うことを発表するなどして行方を捜していた。
アブーが見つかったのは入園口から直線距離で約50メートル離れた林の中。渋川動物公園によると、16日午後2時ごろ、岡山市からアブーを探しに来ていた家族が「アブーを見つけた」と伝えに来たという。
アブーは元気な様子で食欲もあり、職員が与えた梨やスイカを食べたという。「無事に見つかって安心しました」と職員。アブーがいた場所は切り立った斜面の上で「山の中を大回りをして登ったのでは」と話した。
逃げたゾウガメが発見されたとき、渋川動物公園の前にいたNHKのカメラマンによりますと、午後2時ごろ、カメを見つけた男性の子どもが「カメがいました」と声をかけながら駆け寄ってきたということです。そして、子どもについて行くと、動物公園の入り口からおよそ100メートルの道路脇の林の中でゾウガメがじっとしていたということです。
ゾウガメは、駆けつけた動物公園の職員によって、逃げた「アブ−」に間違いないと確認されました。その後、連絡を受けて集まった報道関係者に囲まれましたが、特に暴れることなく、落ち着いた様子で職員に運ばれていきました。
動物公園によりますと、この種類のゾウガメは、刺激を与えなければ人に危害を加えるようなことはなく、また、1か月ほど餌を食べなくても問題ないということで、「アブー」は極めて元気だということです。
発見した男性は「きょうは暇だったので、懸賞金の話を聞いて捜していたら、すぐに見つかりました」と話していました。