119番通報で出動した救急車が誰も搬送せずに引き返す「不搬送」の件数が2015年、約63万件に上り、救急出動件数の1割を超えていることが、総務省消防庁の調べでわかった。
タクシー代わりに救急車を呼ぶなど不要不急の通報が多く含まれているとみられ、重症者の搬送に影響する恐れがある。同庁は、自治体ごとで異なる不搬送の定義を統一するなどして実態把握に乗り出す方針だ。
同庁によると、全国の不搬送は15年が63万56件で、06年に比べて約19万件多く、1・4倍に増えていた。同じ期間の出動件数全体が1・2倍に増加しているが、この割合よりも大きく、出動全体に占める割合は8・4%から10・4%に上昇した。同庁は16年の不搬送の件数、割合とも15年と同程度とみている。
急な病気やケガをした場合に、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、「東京消防庁救急相談センター」を開設しています。
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