兵庫県丹波市内で10月、生後5カ月で死亡した男児が、司法解剖後の処置として頭にコンビニのレジ袋をかぶせられていたことが13日、分かった。両親は死者の尊厳を傷つけられたとして、処置した神戸市の葬儀業者を提訴することも検討している。「同じ思いをする遺族が二度と生まれないでほしい」と訴えている。
亡くなったのは、北野正弥(しょうや)ちゃん。両親と代理人弁護士によると、男児は10月4日早朝、自宅で就寝中に体調が急変し亡くなった。丹波署が司法解剖した結果は病死で事件性はなく、解剖された遺体の処置と搬送を兵庫県警から請け負う神戸市灘区の「甲南平安祭典会館」が遺族に引き渡すための処置をした。
翌5日、両親は同署で遺体と対面。遺体は顔を出すように包帯できつく巻かれ、首をテープで締め付けられたため顔がうっ血していた。帰宅後、母親の恵さん(35)が包帯を外すと、頭を覆うようにコンビニのレジ袋がかぶせられていた。
遺体を修復する「エンバーミング」に詳しい一般社団法人日本遺体衛生保全協会(東京)は「(処置に)体液を受けるためビニールは使うだろうが、レジ袋は倫理的に疑問。そのような処置は聞いたことがない」とする。代理人弁護士は「死体解剖保存法に抵触する可能性もある」と主張する。