窃盗事件で無罪判決を受けた被告が行方不明になった後、三重県警に別の窃盗などの疑いで逮捕された事件で、窃盗と住居侵入の罪に問われた住所不定、無職一丸貴人被告(33)に対し、津地裁四日市支部(後藤真知子裁判官)は5日、懲役3年(求刑5年)の判決を言い渡した。
判決によると、一丸被告は昨年3~6月、三重県四日市市内の住宅に計5回侵入し、現金や商品券など(計約140万円相当)を盗んだ。後藤裁判官は「職業的常習的な犯行であることが明らか」と指摘した。一方で、「生別した実母と再会したことを契機に罪を認めた」などと情状酌量の理由を述べた。
県警は27年1月―6月までの間、東海3県で合計約400回にわたり侵入盗を繰り返し、現金や貴金属など合計約3850万円相当を盗んだとして全件を送検し、先月22日に捜査終結を発表。津地検四日市支部は2日、判決に与える影響は少ないとして残りの容疑を不起訴(起訴猶予)とした。
一丸被告は28年6月、四日市市内の住宅から現金などを盗んだとして愛知県警に窃盗の疑いで逮捕後、同7月に起訴された。名古屋地裁は同11月、「第三者からの依頼という弁解は虚偽と明白に言えない」として無罪を言い渡した。