将棋の最年少棋士の藤井聡太五段(15)が17日、東京都内で行われた第11回朝日杯将棋オープン戦決勝で広瀬章人八段(31)に117手で勝ち、プロ入り後初の優勝を手にした。
15歳6カ月での優勝は、加藤一二三・九段(78)が持つ一般棋戦の最年少優勝記録(15歳10カ月)を63年ぶりに更新する新記録。また、「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」という規定を満たし、六段に昇段した。1日に五段になったばかりで、わずか16日でのスピード昇段となった。
藤井六段は1月の準々決勝で佐藤天彦名人(30)に勝利。17日午前からの準決勝も、永世7冠を達成した将棋界の最高峰、羽生善治2冠=竜王、棋聖=(47)を押し切り、タイトル保持者を立て続けに破る快挙を成し遂げていた。
藤井六段は「まだ実感が湧いていないが、全棋士参加の棋戦で大きな結果が残せたことは自信になった。まだまだ足りない所が多いが、優勝できたことを励みにさらに頑張っていきたい」と話した。スピード昇段については「自分でも思ってもみなかったことで、驚いている」と語った。
中学生としては初となる一般棋戦の優勝に「実感はまだまだ終わったばっかりという気持ちです。初参加で優勝は望外の結果。自分もここまで来れるとは思っていなかったので、とてもうれしく思います」とはにかんだ。
1日には五段昇段したばかりだったが、それからわずか16日での六段昇段に「半月ほどしか経っていないですけど」と話し、会場のファンを笑わせると「また昇段できるというのは実感がないというか、とても驚いています。順位戦昇級に続いて結果を残せたのは、とても自信になりました」と振り返った。