東京都多摩市諏訪のマンション敷地内で、近くに住む派遣社員、上田真由華さん(26)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元交際相手の職業不詳、鈴木浩章容疑者(29)=横浜市鶴見区=が上田さんとの訴訟トラブルをめぐり、「訴えを取り下げてもらおうとしたが、話を聞いてもらえなかった」などと供述していることが18日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁多摩中央署捜査本部は同日、鈴木容疑者を送検した。
捜査関係者によると、上田さんは鈴木容疑者を相手取り、交際トラブルをめぐって東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしており、鈴木容疑者は「訴訟を取り下げてもらうため会いに行った。刃物は脅すつもりで持っていた」などと話しているという。
また、鈴木容疑者が上田さんの自宅マンションのエントランス付近で待ち伏せし、逃げようとした上田さんを、隣接するマンション別棟の外階段まで約60メートル追いかけて犯行に及んでいたことも判明。鈴木容疑者は「(上田さんに)声をかけたが振り向かず、足早になったので階段で後ろから押した」などと説明。階段で転倒してあおむけになった上田さんの首に刃物で切りつけたとみられ、捜査本部は強い殺意があったとみて調べている。