東京都監察医務院が2003年までの50年間に起きた自動車運転中の急病死629例を分析。そのうち「男性」が623人と圧倒的で、「40~64歳」の中年が72%に上った。運転中の突然死というと、高齢者のイメージがあるが、「65歳以上」は13%と少ない。
(中略)
話を運転中の突然死に戻すと、車種は「大型」(8%)、「二輪」(7%)、「軽」(5%)などに比べ「普通自動車」が64%と群を抜く。夏より冬に多く、時間帯は「正午~18時」が31・5%と最多。データからは、働き盛りの男性がバリバリ仕事している日中の運転中に突然死を起こしていることが分かるのだ。
死因は、今回の大動脈解離や心筋梗塞などの心臓病が6割、脳出血・クモ膜下出血などの脳卒中が3割。発症頻度は日常生活で突然死した場合とそう変わらないが、なぜ運転中なのかは気になるところだろう。
聖路加国際病院内科名誉医長で、「西崎クリニック」院長の西崎統氏が言う。
「得意先に向かう途中に渋滞にはまって遅刻しそうになったり、急に飛び出してきた人をよけようとしたりすると、血圧が急上昇します。高血圧の持病がある人にとって、さらなる血圧上昇は危険です。そんな運転中のイライラがいくつか重なると、運転中の突然死を招くのではないでしょうか。予防するには、心筋梗塞や脳卒中につながる生活習慣病を改善するに尽きます」
186センチ、100キロの男性は、こってりした食事をツイッターに投稿していたことから、高血圧の可能性が見て取れる。だとすれば、今回の発症も合点がいく。