「申し訳ない気持ちでいっぱいだ。原因を究明し、誠意を持った対応をしたい」。震度6弱を観測した地震で小学4年の女児が犠牲になった高槻市では、浜田剛史市長が18日夕に記者会見して謝罪した。夜には市教育委員会幹部が会見し、倒壊したブロック塀は高さ3.5メートルで建築基準法に基づく規格(2.2メートル以下)に適合しておらず、法令違反の状態だったことを明らかにした。 市教委などによると、建物の強度を確かめる構造計算をした記録も見つかっていないという。倒れたのは、寿栄小学校北側にあるプールの外壁で、ブロック塀の基礎部分(1.9メートル)にコンクリートブロック8段(1.6メートル)が積まれている。
通学路沿いにブロック部分が約40メートルにわたって倒壊。1974年の開校当初はフェンスが設けられていたが、後にブロックが積み上げられたとしている。時期は不明という。
国土交通省によると、ブロック塀の規格は建築基準法施行令で、高さ2.2メートル以下▽鉄筋は直径9ミリ以上--などと規定。一定の基準で構造計算すれば2.2メートル超でも設置は認められているものの、市教委によると、計算をしたことが確認できないという。また、法令に基づき塀の安全点検をしたとの記録が見当たらず、塀の補強もなされていなかった。
市によると、女児は1人で登校中に被害に遭ったという。亡くなったのは、同小4年の三宅璃奈(りな)さん。大阪府災害対策本部や高槻市、警察などによると、地震により同小のプールのブロック塀が約40メートルにわたり通学路の道路側に倒れ、三宅さんが下敷きになった。市によると、倒壊したブロック塀は、3年に1度法的な点検をしていたという。
大阪府教委は、東日本大震災後に災害発生時の児童生徒や教員らが取る対応をまとめた「学校における防災教育の手引き」を改訂し、2016年に府内の全公立小中高校に配布。各校に対し、登下校中に地震が発生した際はブロック塀から遠ざかり、ランドセルなどを頭にのせて落下物から身を守るといった指導の記載はあるが、今後、安全確保の徹底が課題となりそうだ。