記録的な被害が出ている西日本豪雨に関連し、各地で被害が出始めつつあった今月5日夜、自民党の中堅、若手国会議員が、安倍晋三首相や党幹部を交えて「赤坂自民亭」と呼ばれる恒例の飲み会を議員宿舎で開いていたことに9日、批判が拡大した。
同会は、党中堅、若手議員と党幹部の懇親会的な意味合いで、月に1回、飲み物や食べ物を持ち寄り、議員宿舎の会議室で開催しているという。
当日は数十人の自民党議員が参加した。複数の議員は参加にとどまらず、楽しそうに飲んだり、くつろぐ会の様子の写真を、自身のSNSで紹介している。結果的に、このSNS発信が今回、批判を浴びるきっかけとなった。
気象庁は5日午後2時からの臨時会見で、すでに今後、記録的大雨の恐れがあるとして厳重警戒するよう、全国に呼び掛けた。そんな状況では危機に備えるのが政権政党のはずが、結果的に危機管理のなさを露呈してしまう形となった。SNS上では「マトモな政党なら自粛」「怒りが収まらない」などと、批判の指摘も出ている。
会には首相のほか小野寺五典防衛相や、自民党の岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長のほか、松本智津夫元死刑囚らの死刑執行を翌日に控えた上川陽子法相も参加していた。
首相の参加は初めてで、9月の自民党総裁選をにらんだ対応とみられている。当日は午後8時半ごろに会場に到着し、1時間弱滞在した。首相はこのところ、党内の議員と懇談する回数が増えている。
一方、首相は9日、豪雨対応や被災地視察に向けた準備のため、11~18日に予定していた欧州や中東訪問を中止することを決めた。
今日は27回目の #赤坂自民亭 @議員宿舎会議室、若手議員との交流の場ですが、#安倍総理 初のご参加で大変な盛り上がり!内閣からは#上川法務大臣 #小野寺防衛大臣 #吉野復興大臣 党側は #岸田政調会長 #竹下総務会長 #塩谷選対委員長、我々中間管理職は、若手と総理とのお写真撮ったり忙しく楽しい! pic.twitter.com/LHIKcBFowE
— 片山さつき (@katayama_s) 2018年7月5日
西日本を中心にした大雨による被害拡大を受け、政府は8日午前に非常災害対策本部を設置し、第1回会議を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「救命救助、避難は時間との戦い。引き続き全力で救命救助、避難誘導にあたってもらいたい」と述べ、不足物資の供給やライフラインの早期復旧、対応要員の確保などを指示した。