警察官が職務質問中、トイレに行きたがる男性に立ちふさがって覚醒剤の所持品検査を続けたのは違法だとして、さいたま地裁(結城剛行裁判官)は27日、覚醒剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われたこの男性被告(45)に無罪(求刑懲役4年)を言い渡した。
判決などによると、男性は昨年11月、さいたま市内の駐車場で2人の警官から職務質問を受けた際「トイレに行きたい。漏れる」と連呼。しかし警官は証拠隠滅を恐れて認めず、男性が公衆の面前で排便した後も所持品検査を続行。覚醒剤を提出させた。
判決はこの職務質問を「被告を心身ともに追い込む行為。許される限度を超え違法」として、提出された覚醒剤を証拠から排除し無罪とした。
結城剛行裁判官≪48期≫
●公訴棄却 【17/11】 ★精神疾患回復見込みなし>窃盗×長期中断していた★ at さいたま地裁
●公訴棄却 【17/11】 ★精神疾患回復見込みなし>道交法酒気帯び×長期中断していた★ at さいたま地裁
●1審無罪 【17/9】 ★心神喪失>埼玉県迷惑防止条例違反(陰部露出)★ at さいたま地裁
●1審無罪 【16/3】 ★暴行★ at 福岡地裁小倉支部
●1審一部無罪 【16/1】 ★医薬品医療機器法の指定薬物所持は無罪★ at 福岡地裁小倉支部
●1審無罪 【07/3】 ★業務上過失致死傷×交通事故★ at 前橋地裁 →→→ ●逆転有罪 【08/3】 ★覆される by 植村チーム/東京高裁
●1審一部無罪 【06/7】 ★傷害2件中、1件は無罪★ at 前橋地裁
2004年10月、群馬県昭和村内の関越自動車道下り線で、走行中の乗用車が車線変更中にコントロールを失って横転。4人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われていた23歳の女性に対する判決公判が3月27日、前橋地裁で開かれた。裁判所はタイヤの空気が抜けたことが事故の起因と考えられるとして、女性に無罪の判決を言い渡している。
問題の事故は2004年10月29日夜に発生した。昭和村橡久保付近の関越自動車道下り線で、20歳(当時)の女性が運転する乗用車が車線変更中にコントロールを失い、道路左側の標識柱に激突して横転した。クルマは大破し、後部座席にシートベルト未着用で同乗していたとみられる1人が車外に投げ出されて全身強打で死亡、運転者を含む3人が軽傷を負った。
クルマは約140km/hの速度で走行していたとみられ、検察では「事故は高速走行時のハンドル操作ミスが原因で発生した」として、運転していた女性を業務上過失致死傷罪で起訴。これに対して女性は「事故はタイヤがパンクするかバーストするなどして、タイヤの空気が急速に失われたことが原因」として無罪を主張していた。
3月27日に行われた判決公判で、前橋地裁の結城剛行裁判官は「事故直前、右後輪タイヤに急激な空気抜けが生じた可能性は否定できない」と、被告側の主張を容認。「被告人に過失があったとは断定できない」と指摘し、女性に無罪を言い渡した。