大阪府警は13日、富田林署で留置中だった住居不定、無職の樋田淳也容疑者(30)が逃走したと発表した。弁護士との接見のために面会室に入った後に行方がわからなくなったといい、加重逃走容疑で捜査している。樋田容疑者は強制性交や窃盗の疑いで逮捕されており、6月15日から同署で留置されていた。
富田林署によると、樋田容疑者は12日午後7時半ごろ、弁護士との接見のため2階の面会室に入室。しかし午後9時45分ごろになっても樋田容疑者が出てこないため署員が中に入ったところ誰もおらず、接見する人物を隔てるアクリル板がずらされていた。このすき間から逃げたとみられる。
通常、接見の際には面会室まで署員が付き添い、入室すると外から鍵がかけられる。通常接見する人は署の受付には立ち寄るが、退出の際に特に手続きはなく、この日の接見がいつ終わったかは不明という。
樋田容疑者は身長163センチの中肉。黒い長髪、左腕に手術痕があり、左ふくらはぎには動物の入れ墨がある。黒色長袖ジャージー姿で、中に黒色長袖シャツ、灰色のスウェットズボンをはいていたという。
大阪府内のマンションで女性(24)に乱暴したなどとして、大阪府警捜査1課は15日、強制性交や窃盗などの疑いで、住所不定、無職の樋田淳也容疑者(30)を再逮捕した。「分かりません」と否認しているという。
府警羽曳野署で5月、駐車場の警察車両が燃えた事件で似た男が署の近くをうろつく様子が防犯カメラに写っており、捜査1課は不審火に関与した疑いもあるとみて調べる。
不審火では警察車両と積まれていた自転車が燃えた。捜査関係者によると、5月上旬に発生したひったくり事件で乗り捨てられ、羽曳野署が保管していた。男が乗っていた疑いがあり、証拠品を燃やそうとした可能性もあるという。
再逮捕容疑は、5月24日午後11時50分ごろ、大阪市浪速区の路上で、ミニバイクで自転車の女性(28)を追い抜く際に前かごの手提げかばんをひったくり、25日未明には、別の女性の首元に果物ナイフを突きつけて乱暴したとしている。
防犯カメラの映像に被害者の目撃情報に似たミニバイクが写っていたことから浮上した。大阪府内では強盗致傷や強制性交事件が複数発生している。
樋田容疑者は5月25日、盗んだバイクを保管していたとして、盗品等保管の疑いで現行犯逮捕されていた。