大阪府警富田林署の面会室から男が逃走した事件で、指名手配されている無職、樋田淳也容疑者(30)が電車を使って逃走した形跡がないことが16日、捜査関係者への取材で分かった。富田林署捜査本部は、樋田容疑者が人の行き来や防犯カメラの多い鉄道利用を避け、自転車やバイクなど盗んだ乗り物で逃走を続けているとみて捜査している。
一方、14日夜~15日夜にかけて大阪市東住吉区や生野区などで、黒っぽいスクータータイプのバイクを使ったひったくり事件が相次いだことが分かった。樋田容疑者の実家近くで盗まれたのも黒のミニバイクだったことから、捜査本部は樋田容疑者との関連を捜査している。
捜査関係者によると、樋田容疑者は12日夜の逃走直後、富田林署のすぐ近くで赤い自転車を盗み、隣接する羽曳野市内まで北上したとみられている。自転車は羽曳野市内の路上で乗り捨てられていた。
また、同市と隣接する松原市内にある樋田容疑者の実家付近では、13日までに黒色のミニバイクが盗難被害に遭った。捜査本部は、樋田容疑者が自転車からバイクに乗り換えた可能性が高いとみている。
一方、逃走経路上の鉄道駅を樋田容疑者が利用した形跡はないといい、人目を避けながら移動しているとみられる。
樋田容疑者は12日午後7時半ごろ、富田林署2階の面会室で弁護士と接見。同8時ごろに弁護士が退出した後、面会室のアクリル板を蹴破って、署の裏口から逃走した。