岩手県一関市の民家で女性が刃物で刺されて死亡しているのが見つかった事件で、岩手県警は25日、近くに住む無職佐藤仁一容疑者(74)を殺人容疑で逮捕し、発表した。佐藤容疑者は容疑を否認しているという。
調べによると、殺害されたのは同市南十軒街、アパート経営者及川ヨシコさん(80)。佐藤容疑者は15~16日ごろ、及川さん宅で、及川さんの首や胸など十数カ所を刃物のようなもので刺し、失血死させた疑いがある。
佐藤容疑者は2014年8月ごろから一定期間、及川さん所有のアパートに入居していたが、家賃滞納でトラブルになり退去したという。
アパートは自宅に隣接して立地している。捜査関係者らによると、及川さんは今年に入って40代とみられる入居男性が自宅に2度侵入したとして、男性の家財を部屋の外に出したという。
及川さんは殺害される直前の14日、親族に「最近、手癖の悪い人に出て行ってもらった」と話していた。相談していた一関署から、自宅の合鍵を作られている可能性があると助言され、鍵の交換を検討していたという。
これとは別に、過去には70代の入居男性からわいせつな表現の手紙十数通を送り付けられるトラブルもあった。
70代男性は2016年9月に窃盗罪で服役。この間に及川さんは、部屋の明け渡しを求める訴訟を起こした。17年2月に勝訴して賃貸契約を解除。男性の家財を処分して退居させた。