埼玉県草加市で2月、トラックが歩道に乗り上げ母子らが死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた東京都葛飾区、解体工、八下田誠男被告(29)の判決公判が3日、さいたま地裁で開かれ、栗原正史裁判長は禁錮2年6月(求刑同5年)を言い渡した。
判決で栗原裁判長は、八下田被告が約20秒間にわたり、赤信号を見逃してトラックを運転したなどとして「過失の態様は非常に悪い」と指摘。さらに、「(被害者にとって)全く避けようのない事故で、過失はおおよそ一方的だ」と指弾した。
病院から戻った次男を抱きかかえながら、健次さんは「(容疑者に対して)やってしまったことを問い詰めても(美季さんが)戻ってくることはない。この先のことを見つめて償うことは償ってほしい」と述べた。美季さんについては「毎日一緒にいたから全てが思い出。この感覚を言葉にするのは難しい。心が一瞬さびた」と話した。
判決後、荒井さんの夫、健次さん(44)は報道陣の取材に応じ、「思っていたよりも、裁判所の方も分かってくれていたのかと思う」と判決を評価、「(美季さんに)『終わったよ』と声をかけたい」と話した。八下田被告に向けては「まだ若いんですから、これから自分たちができなかった温かい家庭を作ってほしい」と語った。
意見陳述に先立って行われた被告人質問で、「もう車は運転しない」と述べた八下田被告。最後に健次さんは「せっかく取得した免許。『もう運転しない』と言わず、しっかりと罪を償い、人の夢や希望を運んでもらいたい」と言葉を掛けた。