警察によりますと、火事の通報からおよそ30分後に、この住宅に住む無職の石塚森三容疑者(93)が近くの交番に「自宅に火をつけた」と自首してきたということで、警察は14日夜、放火の疑いで逮捕しました。
石塚容疑者は長男夫婦や孫と5人暮らしで、認知症の85歳の妻の介護をしていたということですが、警察の調べに対し「妻の介護に疲れた」などと供述しているということです。
2016年、老人福祉・介護事業の倒産ペースが異様
2016年の、老人福祉・介護事業における倒産が過去最高のペースとなり、業界に危機感をもたらしています。東京商工リサーチによると、倒産状況が108件にものぼり、前年同期の76件を上回り過去最多を記録しました。
気になる負債総額は、トータルで94億600万円と莫大な数字にのぼっており、前年を47.2%上回る巨額の負債を抱えて倒産したことがわかりました。
介護殺人の現状と特徴
警察庁の犯罪統計によれば、2007年から2014年までの8年間に「介護・看病疲れ」を動機として検挙された殺人は356件、自殺関与は15件、傷害致死は21件であった。また殺人ではないが、内閣府の自殺統計によれば、2007年から2015年の9年間に「介護・看病疲れ」を動機とした自殺者数は2,515人、そのうち年齢が60歳以上の者は1,506人で、全体の6割を占めている。統計がとられるようになってからまだ10年も経過していないが、この間に介護・看病疲れによる死亡がこれほどまで多く発生していることに驚かされる。