東京都中央区銀座の路上で4月、男性が約7200万円の入ったバッグを奪われた事件で、警視庁捜査1課は31日、強盗容疑で職業不詳小笠原興人容疑者(20)=府中市是政=と千葉県立高校2年の少年(16)ら男3人を逮捕した。
少年はこの日、校外研修で都内を訪れており、当時は自由時間中だった。
逮捕容疑は4月21日午後1時半ごろ、銀座の「すずらん通り」で自営業男性(45)に背後から体当たりをして転倒させ、現金約7257万円が入ったトートバッグを奪った疑い。
少年は小笠原容疑者から「金になるバイトをやらないか」と持ち掛けられたと供述している。小笠原容疑者は「何が起こったかよく分からない」と話しているという。
捜査1課によると、男性はこの数分前、近くの貴金属買い取り店で金塊15キロを売却した直後だった。奪われたバッグから現金の一部が落ち、残った4000万円が持ち去られた。
本来、日本の法律では1億円の金塊を持ち込む場合、税関に申告し、消費税8%分、800万円を支払わなければならない。
ところが運び役は手荷物などに金を隠し、消費税の支払いを免れて日本に入国。
この金を貴金属店などに持ち込むと、消費税を上乗せした金額、1億800万円で買い取ってもらえる。
密輸するだけで800万円が転がり込む仕組みだ。
日本の税制度を悪用した錬金術。
組織が日本を狙う理由は、もし摘発されたとしても比較的処罰が軽いからだという。
1億円の金塊の密輸が摘発された場合、韓国では金塊は必ず没収され、最大1億円の罰金が科されることもある。
一方、日本では金塊が没収されるとはかぎらず、罰金も最大で1,000万円にとどまる。