奈良市一円に生息する「奈良のシカ」は、これまで天然記念物として保護されてきましたが、市の郊外では田畑を荒らすシカが深刻な問題となっています。そこで奈良県は、特定の区域に限りシカを捕獲・殺処分することを決め、7月31日から罠を設置していました。これに対し、兵庫県に本部を置く自然保護団体が「捕獲して殺処分するのは残酷だ」として県に中止を求める要望書を提出しました。
「無用な殺生は犯罪だと思います。柵を強化することによって(食害の)被害を減らす、こっちに進むべきだと思います」(日本熊森協会・森山まり子会長)
自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県)は3日、奈良県庁で記者会見し、奈良県が農林業被害対策として一部の地域で始めた国の天然記念物「奈良のシカ」の捕獲について「シカとの共存の文化を壊さないで」と訴えた。