東京都は12日、足立区内の27世帯で10〜11日、臭気や濁りのある下水処理水を供給する事故があったと発表した。都が委託した管理会社が区内の下水処理施設で配管を誤接続したことが原因。2世帯がこの水でご飯を炊いたり飲んだりしたが、健康被害は確認されていないという。
都が原因を調べたところ、近くにある建設残土のリサイクル施設で使われている下水と上水の配管が誤った方法で接続されていたことが分かり、周辺の世帯に下水を処理したあとの水が上水道に逆流していたということです。
都が施設の維持管理を委託していた会社に聞き取った結果、以前、この施設でトイレの改修工事をした際、洗浄する水の量を確保しようと、当時の作業員が勝手に配管を変更していたということです。
流入・放流水質
水再生センターからの放流水は、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の水質基準を十分に満たし、魚がすめる水質です。
単位:mg/L
項目 流入水 放流水 条例による放流
水の水質基準BOD 150 3 25以下 COD 81 8 ― 全窒素 27.4 6.1 30以下 全りん 3.1 0.3 3以下 平成27年度 24時間試験平均値
※ BOD、CODは、数値が高いほど水が汚れていることを示します。BODは、微生物が有機物を分解するのに使う酸素量、CODは酸化剤で有機物を分解して消費する酸素量で測ります。放流水の水質基準は、河川はBOD、海域はCODにより定められています。全窒素、全りんは、赤潮の発生などと深くかかわっています。