同居する兄を包丁で殺害しようとしたとして、兵庫県警三田署は30日、殺人未遂の疑いで、同県三田市あかしあ台、大阪大基礎工学部4年、細谷早志(そうし)容疑者(22)を現行犯逮捕した。調べに対し「兄を殺害しようと思い刺しました」と容疑を認めている。兄で大阪経済大大学院生の竜己(たつき)さん(28)はまもなく死亡。同署は容疑を殺人に切り替えて捜査する。
逮捕容疑は、30日午前4時ごろ、自宅2階の一室で竜己さんの左ほほなどを台所の包丁(刃渡り約16センチ)で刺して殺害しようとしたとしている。別室にいた父親が119番し、竜己さんは病院に搬送されたが約50分後に死亡が確認された。
同署によると、兄弟は両親と4人暮らし。細谷容疑者と竜己さんの部屋は隣同士で、物音をめぐりトラブルになっていたといい、同署が事件の詳しい経緯を調べている。
全国の警察が2016年に摘発した殺人事件(未遂を含む)のうち、55%が親族間で起きていたことが警察庁の調べで分かった。この割合は増加傾向にある。警察庁は10日、原則不支給になっている親族間事件の被害者を給付金支給制度の対象にできないか議論するため、有識者会議を開いた。夏をめどに提言をまとめる。