うれし涙が止まらなかった。高木美帆(23=日体大助手)が1分54秒55でスピードスケートの個人種目では日本女子史上初となる銀メダルを獲得した。
涙がかわいた表彰台。高木美は「改めて表彰台に立ってみて、1番を獲れなかったのは凄く悔しい気持ちが、またこみあげてきた時間だった」と言った。
最終組アウトレーンの高木美は1度、フライングも最後まで気迫あふれる表情で滑り切った。優勝したブスト(オランダ)にわずか0秒20差。10日の3000メートルで5位に終わったものの、1500メートルは今季ワールドカップ(W杯)4戦4勝と最も得意とする種目。負けるわけにいかなかった。
スピードスケートの日本女子は、10年バンクーバー五輪の団体追い抜き(穂積雅子、小平奈緒、田畑真紀)で銀メダル獲得しているものの、個人種目では銅が最高で史上初。メダル獲得も98年長野五輪500メートルで銅メダルを獲得した岡崎朋美以来、20年ぶりとなった。
「最高の順位が獲れたことは誇れることだし、自信を持っていきたい。1000メートルとパシュート(団体追い抜き)でも今以上のレースができるよう準備したい」
平昌五輪第4日(12日、アルペンシア・ジャンプセンター)ノルディックスキー・ジャンプ女子で、高梨沙羅(21)=クラレ=は103・5メートル、103・5メートルの合計243・8点で銅メダル。ジャンプ勢は2014年ソチ五輪男子ラージヒルで葛西紀明(45)=土屋ホーム=が2位、団体が3位になっており、2大会連続の表彰台。女子では初のメダルで、通算12個目となった。
94メートル、93メートルの203・9点で9位だった伊藤有希(23)=土屋ホーム=は、高梨のメダルが確定すると、真っ先に駆け寄り祝福した。「4年前、沙羅ちゃんもすごく苦しい思いをして、この4年間過ごしてきたのを見てきたので、メダルを取れてよかった」とねぎらった。自身はソチ五輪7位から順位を落とし、「4年前より悔しいです」と涙を流した。
平昌五輪で12日、フリースタイルスキー男子モーグルで銅メダルを獲得した原大智(日大)はレース後、「やりました。メダル取りました。金メダルじゃなかったけど。楽しみでした。滑りたくて仕方なかったです。すごく楽しかった。本当に楽しかった。楽しさだけを追い求めた。楽しいしかなくて、失敗する気がしなかった。欲を出せば金メダルが欲しかったけど、今はむちゃくちゃうれしいしかない」と話した。