首都圏でも大雪に見舞われ、厳しい冷え込みが続いた今冬。東京都内の小学校では体育の授業の服装を、冬でも夏と同じ半袖、半ズボンとするところが多いが、今シーズンのような寒い冬でも一律の薄着が必要だったのか。親や子どもたちからは疑問の声も上がっている。
文京区内の公立小に通う小6男児の母親(50)は、体育の時間に真冬でも半袖、半ズボンとされていることに疑問を感じてきた。さらに今冬は、厳しい冷え込みの日もあったにもかかわらず、半袖の下に肌着を身につけるのもだめ、との指導を受け、さらに疑問が膨らんだ。
「体感温度は一人一人違う。個人の判断で自由にさせてくれればいいのに」
世田谷区の小学4年の女児(10)は「今季一番の冷え込み」とされた日、耐えられず「半袖の体操服の上に、トレーナーを着させてほしい」と担任の教諭に訴えた。女児の通う学校では、トレーナーの着用を認めるかどうかは担任の判断に委ねている。女児の必死の訴えにもかかわらず、結局、担任は認めなかった。
そもそも冬の体育の服装について指針や取り決めがあるのか。都教育委員会に確認すると、冬も半袖、半ズボンに、と推奨しているわけではないという。その上で、薄着の利点に「動きやすい」ことをあげる。文部科学省も国としての基準はなく、各教育現場の判断だと説明する。
(中略)
話を聞いたその日に学校に電話した。駒崎さんが「なぜ半袖、半ズボン強制なのか」と聞くと、電話を受けた教諭は「なぜ、ということはないが、いつも体育は体操着になっている」と返答。「外は氷点下4度でインフルエンザも流行している。それでもなお教育的効果があるという判断なのか」などとやりとりし、その日は「明日の朝、校長に相談して折り返す」ことで終わった。翌朝、校長から電話があり、大会でのトレーナー着用を認めるとの回答があった。