11日午後8時45分ごろ、滋賀県彦根市南川瀬町の河瀬駅前交番内で、同交番に勤務する男性巡査部長(41)が倒れているのを、県警彦根署員が発見した。 県警によると、頭と背中を撃たれており、病院に搬送されたが死亡が確認された。県警は、同僚の大西智博巡査(19)が拳銃で撃って逃走したとみて殺人容疑で行方を追っていたが、12日未明に身柄を確保した。 県警によると、死亡したのは井本光巡査部長。同日午後8時15分ごろ、滋賀県愛荘町の田んぼにパトカーが突っ込んでいると110番があった。人は乗っておらず、彦根署員が確認のためパトカーの配備先の同交番に向かったところ、机に突っ伏して血を流している巡査部長を発見した。 巡査部長は後頭部と背中に銃弾による傷があり、椅子に座った状態で背後から2発撃たれたとみられる。 同交番は3人体制で、11日は午前8時半から巡査部長と大西巡査が2人で勤務していた。現場に巡査部長の拳銃は残されていたが、大西巡査の拳銃はなく、県警は拳銃を持ったままパトカーで現場を離れ、乗り捨てて逃げたとみている。 大西巡査は昨年4月に採用され、今年1月29日に彦根署へ配属された。県警は大西巡査の名前と写真を公開した。 同交番はJR東海道線河瀬駅近くの、商店や住宅が立ち並ぶ一角にあり、周囲には幼稚園や中学校などもある。
「警察官になれたときは本当に喜んでいた」「まじめな子だったのに…」。滋賀県彦根市の滋賀県警彦根署河瀬駅前交番で、同署の井本光(あきら)巡査部長(41)が拳銃で撃たれて死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された男性巡査(19)を知る恩師らは言葉を失った。捜査関係者によると、巡査は「罵倒(ばとう)されたので撃った」と話しているという。知人らは、野球に打ち込み、警察官にあこがれていた少年時代の印象と事件とのギャップに戸惑っていた。
「交番で働き、市民の身近な存在になりたい」
男性巡査は2年前、警察官の仕事が体験できる滋賀県警主催の警察学校のオープンキャンパスに参加。地元紙のインタビューで、警察官への思いをこう語っていた。そして昨年、夢を実現させ、今年1月29日に彦根署に配属。3月26日付で今回の事件が起きた河瀬駅前交番勤務となった。
男性巡査は2年前、警察官の仕事が体験できる滋賀県警主催の警察学校のオープンキャンパスに参加。地元紙のインタビューで、警察官への思いをこう語っていた。そして昨年、夢を実現させ、今年1月29日に彦根署に配属。3月26日付で今回の事件が起きた河瀬駅前交番勤務となった。
男性巡査が通っていた同県高島市内の高校の野球部で指導した男性教諭(49)は「警察官に合格したときは『頑張っていきます』と言って本当にうれしそうだった」と振り返る。
野球部では「後輩思いで、練習も休まず参加するまじめな子」だったという。「大学に進学して野球を続けることを勧めたが、警察官一筋だった。ただただ驚いている」と語った。
男性巡査と勤務をしたことがある県警関係者は「元気がよく、あいさつができる子だった」と話す。事件が起きた11日にも男性巡査と会う機会があった。「普段と変わった様子はなかった。なぜこんな事態になったのか」と話した。