静岡県伊東市八幡野の山林への大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画をめぐり、静岡県は29日、森林法に基づき林地開発許可の可否を審議する同県森林審議会を再開すると発表した。前回の審議会以降に、事業者から希少動植物の生息について新たな報告があり、部会長の吉崎真司・東京都市大副学長がさらなる審議が必要だと判断したという。県森林審はこれまで3回開かれており、4度の開催は過去に例がない。審議再開は6月以降とみられ、事業者が目指す今月中の着工はほぼ不可能になった。
この計画をめぐっては、今月上旬に事業計画地付近で絶滅危惧種の野鳥「ミゾゴイ」が発見されており、地元住民が詳しい調査を要望していた。
今月中に着工しなければ、この計画に対して6月1日施行の伊東市の新条例が適用されることになる。新条例では「太陽光発電設備の設置には届け出と市長の同意が必要だが、総面積が1・2ヘクタールを超える場合は市長は同意しない」と定められている。
ただ、メガソーラー建設を許可制ではなく届け出制とした新条例に強制力はなく、建設計画をどこまで規制できるかは未知数だ。伊東市の担当者は「今回のメガソーラー建設計画に新条例が適用されるとなれば、今後判断に窮する部分が出てくるだろう」と対応に苦慮している。