埼玉県警は27日、同県深谷市の30代男性を昨年11月に強制わいせつや強盗傷害などの容疑で誤認逮捕し、20日間勾留していたと発表した。防犯カメラ映像などを基に逮捕したが、今年5月に別の事件で逮捕・起訴された男が関与を認めて発覚した。県警は男性に謝罪した。
県警によると昨年1~9月、深谷市内で30代女性のアパートに男が複数回侵入し、現金数十万円を盗んだり、女性の体を無理やり触って軽傷を負わせたりする事件が発生。女性が設置した自宅の防犯カメラに映っていた人物について、被害女性が「男性と似ている」と証言。民間会社の鑑定で男性と一致する可能性が高いという結果が出たことなどから逮捕した。
しかし、別の強盗などの事件で逮捕・起訴された住所不定、無職、小内悠輔被告(22)が関与を認め、今月27日に逮捕された。
県警の川上博和刑事総務課長は「深くおわびする。再発防止に向け指導を徹底する」としている。
「憲法では『何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる』(憲法40条)と規定しています。この憲法の規定を受けて、刑事補償法は、逮捕・勾留1日あたり1,000円以上12,500円以下の割合による補償金の交付を受けられる旨規定しています(刑事補償法4条1項)。」
「しかし、刑事補償法の対象となるのは、あくまで起訴されて無罪判決を得た人が、逮捕・勾留されていた場合だけです。今回の事件のように、起訴される前に容疑が晴れ釈放された場合については、刑事補償法の対象にはなりません。」
「この他に、捜査機関の捜査の対象とされた者が不起訴になったり、あるいは、裁判を受けた者が無罪判決を得た場合等に、補償を求める方策として、『国家賠償』が考えられます。国家賠償法は『国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる』(国家賠償法1条1項)と規定しています。」