苦しまずに死ぬはウソ!? 練炭自殺の意外な真実
一酸化炭素は密室で空気の動きが少なく、燃焼が持続するモノであればなんでも発生します。要するに練炭と七輪を車内でGO! というのが、自殺系サイトでテンプレ化され、紹介されたことが引き金となり、自殺に用いることが多くなったようです。
車内の空気は外気にしない限り、かなりの密閉度なので不完全燃焼が起こり、火の状態にもよりますが、1、2時間で中の濃度は危険流域になっていきます。
一酸化炭素中毒は、死体が穏やかな状態で苦しんだ様子もない…ということから苦しまない自殺方法だと思われがちですが、即死なのは高濃度のものを一気に吸引した場合のみ。
ゆっくりと、一酸化炭素濃度が上がる場合は末梢神経が麻痺し、手足が動かせなくなってから、中枢へと死の影が忍び寄ります。その間に起こるすさまじい吐き気と酸欠による猛烈な頭痛、そして呼吸ができなくなっていく自分をまじまじと感じ、あまりの恐怖に後悔して止めようにも手足が動けず穏やかな死に様となる…可能性が高く、無痛とは無縁の死に方といえます。
また酸欠による脳障害はすさまじく、万一助けられると壮絶な人生が待ち受けているのでリスク工学的には選ぶべき自殺方法ではないといえるでしょう。