登別市内の道道交差点で昨年11月、飲酒運転し、同市の専門学校生森口修平さん=当時(19)=をはねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)と道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた同市、無職藤森雄三被告(40)の裁判員裁判判決公判が27日、札幌地裁であった。駒田秀和裁判長は危険運転致死罪の成立を認め、懲役11年(求刑懲役15年)を言い渡した。
「赤信号を殊更に無視した」とされる同罪が成立するかが争点だった。藤森被告は事故当時、別の車と接触トラブルを起こして逃走中で、車には娘ら2人が同乗していた。弁護側は「後方から追跡してきた接触相手に注意が向き、赤信号を見落とした」として故意の信号無視を否定していた。
駒田裁判長は判決理由で、藤森被告が現場に至るまでに別の2か所の赤信号を無視したことや、同乗者が現場交差点の手前で赤信号に気付き、被告に伝えたと認定。「赤信号を殊更無視したことに疑いの余地はない」と判断。その上で「飲酒運転の発覚を逃れようとする身勝手な動機で、死者1人の同種事案の中でも相当に悪質」と結論付けた。
判決によると、藤森被告は昨年11月27日夜、酒気を帯びた状態で乗用車を運転し、赤信号を殊更に無視して時速91~97キロで現場交差点に進入。横断歩道を青信号で渡っていた森口さんをはねて死亡させた。