17日午後2時50分ごろ、東京都世田谷区深沢7丁目の区道で男児が路線バスにはねられ、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁は、男児は近くの小学校の1年生とみて身元確認を進めている。また、東急バス運転手の菊池徹容疑者(47)=東京都大田区=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕した。同致死容疑に切り替えて調べる。
玉川署や東急バスによると、現場は深沢高校バス停近くの信号機のない丁字路。バスの乗客にけがはなかった。
歩行中の交通事故の死傷者は小学1年生が際立って多い。公益財団法人「交通事故総合分析センター」に朝日新聞が依頼して事故データを分析すると、こうした傾向が見えた。小学校の入学を機に親から離れての行動が増える一方で、外歩きの経験が浅く、危険を認知する力がまだ十分でないことなどがうかがえる。
同センターは警察などから事故情報を提供されている。2015年までの5年間に、歩行中の事故で死傷した小学1年生は8944人(死者は30人)。入学を機にぐんと増え、6年生になると4分の1になる。
1995年以降について、年齢別の死傷者数をグラフにした。少子化に加えて通学路の安全対策や啓発活動などで死傷者数は減ってきたものの、小1と重なる6、7歳児が最も多い傾向は変わらない。15年の場合、7歳児の人口10万人あたりの死傷者数は約140人で全年齢の3倍に上る。
なぜなのか。15年3月、東京都内の住宅地で遊戯中に死亡事故が起きた。小1の小日向翔(こひなたかける)君(当時6)は自宅近くで、友達数人と追いかけっこをしていた。狭い路地から幅4・5メートルの生活道路に飛び出したところを、乗用車にはねられた。