捜査1課によると、亡くなったのは盛岡市の下坂彩心(あこ)ちゃん(当時1)。吉田容疑者は2015年8月17日午前10時半ごろから18日午前0時5分ごろまでの間、預かっていた彩心ちゃんに食塩を摂取させ、食塩中毒で死なせた疑いがある。彩心ちゃんが死亡した日は、保育施設内に吉田容疑者と彩心ちゃんしかいなかったという。
食塩中毒は稀な疾患であり,まだ確率した治療法はない。統合失調症の既往歴のある36 歳女性が,当院精神科を退院した当日に自宅で食塩約200g を摂取後,嘔吐と意識障害を認め家族に付き添われて救急外来を受診した。受診時の意識レベルはJapan coma scale(JCS)1,血圧128/90mmHg,血清Na 値192mEq/L,血漿浸透圧385mOsm/L と異常値で,その後JCS 100 まで意識レベルが低下したためICU へ入院となった。入院後直ちに大量輸液を行い,院後10 時間で清Na 値は170mEq/L まで低下した(1.83mEq/L/hr)。しかし,血中Na 濃度管理に苦慮し,第3 病日に脳機能停状態にった。塩の致死量は0.5-5g/kg で,血清Na 値185mEq/L 以上は致死的状態であるとわれる。
県警によると、彩心ちゃんが帰宅後、親が異変に気付いて病院に運んだが、間もなく死亡した。液体に混ぜた状態で食塩を摂取させたとみられる。吉田容疑者は15年7月に施設を開所。彩心ちゃんが亡くなった直後に閉鎖されているという。