岐阜県瑞浪(みずなみ)市の中央道脇で崩れた土砂に産業廃棄物が大量に混じっていた事件で、現場近くの陶磁器原料メーカー「丸釜釜戸陶料」が、産廃に盛り土をしたり木を植えたりしていたことが、同社への取材でわかった。県警は、同社が産廃を仮置きするのではなく不法に投棄していたことの裏付けになるとみて調べている。
捜査関係者や県などによると、同社は第3工場近くの斜面に所有する採石場跡に、製造過程でできる規格外の珪石(けいせき)の粉末や汚泥などの産廃を運び込んでいた。18日の雨で一部が崩れ、産廃の汚泥が大量に混じった土砂が中央道に流出。巻き込まれた車に乗っていた6人が重軽傷を負った。
同社の水野辰英会長は県警に対し「産廃の上に土をかぶせ、木を植えていた」と説明しているという。このため県警は、現地が仮置き場ではなく、投棄場所だったとして、不法投棄の疑いがあるとみている。不法投棄の事実を隠蔽(いんぺい)しようとした可能性もあるとみて、実態解明を進める。
水野会長は24日、朝日新聞の取材に、産廃への盛り土や木を植えたことについて、「結果的には隠蔽なのかもしれませんけど。田舎は木があって当たり前という感じなので、木を増やそうとやった」と説明した。