自宅で長男(40)を刀で切りつけたとして、岐阜県警は29日、殺人未遂の疑いでオウム真理教の元幹部で古物商の中田清秀容疑者(70)=同県高山市西之一色町3丁目=を現行犯逮捕し、30日に発表した。「けがさせたことは間違いないが、殺すつもりはなかった」と殺意を否認しているという。
高山署によると、中田容疑者は29日午後9時50分ごろ、同居する家業手伝いの長男に対し、「殺すぞ」などと言いながら刀(刃渡り約50センチ)で切りつけ、殺そうとした疑いがある。長男は左手や右腕など計4カ所にそれぞれ3センチ程度の傷を負った。当時2人は一緒に酒を飲み、口論になっていたといい、中田容疑者の妻からの通報で発覚したという。
中田 清秀(なかた きよひで)は、オウム真理教の元幹部。愛知県出身。省庁制が採用された後は、「建設省」に所属した。
来歴
名古屋市北区生まれ。中学卒業後は、暴力団に所属した。1984年に銃刀法違反で逮捕され、1987年まで広島刑務所に服役。出所後まもなくオウム真理教に入信。名古屋市で喫茶店を経営。
元暴力団員という経歴から、不動産の購入の時に相手を恫喝して交渉を有利に進めたり、拳銃の調達をしていた。彼自身はオウムを「全宇宙オウム連合麻原一家」と評している。
1995年4月に、脱会信者を連れ戻す際に恐喝したとして恐喝容疑で逮捕された。裁判では恐喝罪で無罪になったが、詐欺未遂で懲役1年・執行猶予3年の判決が下された。
その後、教団を脱会し、数人の脱会信者とともに「中田グループ」を形成、岐阜県飛騨市の民宿を拠点に「聖白虎ヨガ密教の集い」を結成したが2001年1月に解散、それ以後は土地の転売や洋服リフォーム店の経営等で生計をたてている。東証一部上場を目指し強引な手法で商取引をしている。
2017年12月30日、長男を日本刀で切りつけ殺害しようとしたとして殺人未遂容疑で逮捕された。