■6年前、霧島連山の噴火後に3.11が起きた
その名の通り、霧島連山は鹿児島県と宮崎県の県境に広がる20を超える火山群の総称であり、単に霧島山と呼ばれることもある。最高峰の韓国岳(からくにだけ)、高千穂峰、新燃岳、御鉢(おはち)などの山々が連なり、山塊を形成している。歴史を紐解くと、とりわけ新燃岳と御鉢は噴火を繰り返しており、霧島連山は気象庁の活火山ランク付けでBと評価されている。今回噴火した新燃岳は、9月下旬に火山性地震の回数が増加したため、10月5日に噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げられていた。そして11日の噴火後は、さらに3(入山規制)へと引き上げられている。
前述のように、2011年の霧島連山の噴火は、東日本大震災の発生直前に始まった。新燃岳はアムールプレート上の火山であり、東日本大震災の震源はオホーツクプレート上であることから、両者が短期間のうちに連続したことは偶然だと考える読者がいるかもしれないが、実はその認識は間違っているようだ。というのも、霧島連山の噴火から数カ月後に、オホーツクプレート上で大地震(主にM7.5以上)や大噴火が起きるケースは実に多く見られるのだ。以下に例を挙げる
【霧島連山の噴火と大地震・大噴火が連動した例】
1. 1677年:御鉢で噴火
→1677年4月13日:延宝八戸沖地震、M7.2~8.0、津波あり。
→1677年11月4日:延宝房総沖地震、M8.0前後、死者500人、津波あり。
2. 1678年1月9日:御鉢で噴火
→1678年10月2日:宮城県北部沖、M7.5前後。
3. 1706年12月15日:御鉢で噴火
→1707年10月28日:宝永地震(南海トラフ全域)、M8.4~8.6、死者5千~2万人以上。
→1707年12月16日:富士山の宝永大噴火。
4. 1717年2月9日~22日:新燃岳で噴火
→1717年5月13日:宮城県沖、M7.5、津波や液状化被害。
5. 1891年6月19日:御鉢で噴火。
→1891年10月28日:濃尾地震、M8.0、最大震度7相当。死者・行方不明者7千人以上。
6. 1894年2月25日~28日:御鉢で噴火
→1894年3月22日:根室半島沖地震、M7.9、津波あり。
→1894年6月20日:明治東京地震、M7.0、死者31人。
7. 1896年3月15日:御鉢で噴火
→1896年6月15日:明治三陸地震、M8.2~8.5、津波あり、死者・行方不明者2万2千人。
8. 1914年1月8日:御鉢で噴火
→1914年1月12日:桜島地震、M7.1、死者29人。
→1914年3月15日:仙北地震、M7.1、死者94人。最大震度7相当。
9. 1923年7月11日~20日:御鉢で噴火
→1923年7月13日:九州地方南東沖、M7.3。
→1923年9月1日:関東大震災、M7.9、死者・行方不明者10万人以上。
10. 1959年2月17日:新燃岳(昭和噴火)
→1960年3月21日:三陸沖、M7.2。
11. 2011年1月26日:新燃岳で噴火(多量の火山灰や軽石、溶岩噴出)
→2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、M9.1。
・ 2017年10月11日~14日:新燃岳で噴火
→2017年~18年X月X日:西日本・首都圏・東北のいずれかで大地震?