児童自立支援施設の兵庫県立明石学園(明石市魚住町)で、50代の男性寮長が約2時間にわたり10代の男子寮生に対し馬乗りになるなどの行為をしていたことが16日、分かった。同学園は精神的、身体的な虐待と判断し、県に報告した。
同学園によると、寮長は1日午前2時半ごろから約2時間、寮のロビーで男子生徒に馬乗りになり、説教した。このほか、別の生徒に指示し、この生徒に馬乗りをさせたという。
同学園の調査に対し「生活態度の反省を促すため、逃げないように乗った。行き過ぎで、指導法を間違っていた」と話しているという。うち1人は体に複数のあざがあり、因果関係などを調べる。
同学園では男女46人が寮生活を送っている。この寮長が指導する8人を別の寮に移したという。
柏原俊朗園長は「被害を受けた子どもや保護者に申し訳ない。子どもを支援する施設ではあってはならないこと」と謝罪した。
児童自立支援施設(じどうじりつしえんしせつ)とは、犯罪などの不良行為をしたり、するおそれがある児童や、家庭環境等から生活指導を要する児童を入所または通所させ、必要な指導を行って自立を支援する児童福祉施設である。退所後の児童に対しても必要な相談や援助を行う。根拠法は児童福祉法44条である。
かつて感化法の下においては「感化院」(かんかいん)、少年教護法の下で「少年教護院」(しょうねんきょうごいん)、現行の児童福祉法の下で「教護院」(きょうごいん)という名称であったが、1998年4月に上記名称となる。
入所経路の多くは児童相談所の措置によるものであるが(児童福祉法27条1項3号)、家庭裁判所での審判の結果、保護処分として児童自立支援施設に送致される場合もある(少年法24条1項2号)。