堺市南区で2日夜、乗用車に追突されたバイクの男性が死亡する事故があり、自動車運転処罰法違反容疑で現行犯逮捕された乗用車の運転手があおり運転で事故を引き起こしたとして、大阪府警が殺人と道交法違反(ひき逃げ)の容疑で、運転手を再逮捕していたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。
あおり運転をめぐって殺人容疑が適用されるのは異例。府警は追突した乗用車に搭載されたドライブレコーダーの映像などから、運転手が約1キロにわたり、車間距離を詰めたりクラクションを鳴らしたりといった悪質なあおり行為を行っていたことを確認し、殺意を立証できると判断した。
府警交通捜査課によると、事故は2日夜、堺市南区竹城台の府道で発生。乗用車が同市西区の大学4回生、高田拓海(たくみ)さん(22)のバイクに追突した。高田さんは頭の骨を折るなどして搬送先の病院で死亡。府警は同日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で、乗用車を運転していた同市南区の警備員、中村精寛(あきひろ)容疑者(40)を現行犯逮捕した。
事故直前に右側車線にいた乗用車を、左側車線のバイクが追い抜き、そのまま右側車線に進路変更。中村容疑者はこれに腹を立て、事故まであおり運転を続けたという。
再逮捕容疑は2日午後7時35分ごろ、高田さんのバイクが前方に進入してきたことに立腹。車を衝突させて殺害しようと考え、バイクに追突したうえ、そのまま逃走して殺害したとしている。中村容疑者は「あえてぶつけたのではない」と容疑を否認している。