認知症の疑いがあり、運転すると事故を起こす可能性があるとして、神奈川県警が、同県鎌倉市の無職の男(69)を、道路運送車両法違反(無車検)容疑で現行犯逮捕し、車を押収していたことが6日、わかった。逮捕は7月30日。
大船署によると、男は30日午前10時頃、自宅近くの市道で車検が切れた乗用車を運転した疑い。男は意味不明な話を繰り返し、同署は「勾留に耐えられない」として、翌31日に釈放した。
男は7月上旬、同県藤沢市の自動車販売店を訪れ、車検を更新しようとしたが、認知症が疑われたため、同店が鎌倉市に相談。市から連絡を受けた同署や親族が、運転をやめるよう説得したが応じなかったという。
同署は「車を運転させるのは危険」として、男が自宅から車を走らせたところを現行犯逮捕した。男はその後、病院で認知症と診断されたという。
75歳以上の人は免許更新時に認知機能を調べる検査を受け、「認知症の恐れがある」(第1分類)、「認知機能低下の恐れがある」(第2分類)、「低下の恐れがない」(第3分類)のどれかに判定される。従来は第1分類のうち一定の交通違反をしている人だけ医師の診断を受けていたが、改正法では第1分類の全てを診断の対象にした上、逆走など定められた違反のいずれかをした人も臨時の検査を受けるようになった。