鹿児島県鹿屋市の住宅型有料老人ホームで、今月半ばまでの約1カ月の間に、入居者約40人のうち6人が相次いで死亡したことが、同県などへの取材で判明した。同施設では今年8~9月に介護職員8人全員が退職。夜間は施設長がほぼ1人で対応していたという。県は老人福祉法に基づく立ち入り検査などを実施し、運営実態を調べている。
県によると今月上旬、外部から「施設で死亡した人がいる」と情報提供があったため、9日に施設側から事情を聴き、16日に立ち入り検査した。県は死因や死亡日時などの詳しい状況を明らかにしていない。
鹿屋市によると、同施設は定員55人。県が立ち入り検査をした時点でも介護職員は補充されておらず、複数の入居者に床ずれができていたという。死亡した6人のうち4人の死亡は3日間に集中していた。
住宅型有料老人ホームとは、食事提供などの生活支援サービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護付き有料老人ホームと違って居住者の中には介護認定を受けていない人もいる。要介護者の場合は、外部事業者に頼んで食事介助や入浴、排せつなどの介護サービスを受けることができる。
介護分野の人手不足を解消するため、国は外国人頼みを加速させている。海外からの介護職技能実習生が長期滞在できるように、より「現実的な」介護に特化した日本語能力の資格試験を新たに設けることにした。
実習性は母国で日本語テスト「N4」の資格を取得するのが入国条件。来日して1年後にはより上位の「N3」の試験に合格しなければならない。N4とは「ややゆっくりの会話ならほぼ理解できる」段階で、N3は「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる」レベルである。N3に受かれば、最長5年間は日本で働き続けられる。