今後予想される気温の低下。気象の変化などによる体調の悪化に詳しい医師は、「寒暖差疲労」の症状に注意を呼びかけています。
気象病の外来を設けている東京 世田谷区のクリニックの久手堅司院長は、前日からの温度差が7度くらいになると、『寒暖差疲労』になりやすいと指摘しています。
人間の体は、暑い中や寒い中でも、体の状態を一定に保とうとして自律神経が働き、汗を出して熱を発散させたり、反対に熱を体内に残したりしています。
しかし、急激な寒暖差があると自律神経の働きが乱れ、冷え性やだるさ、頭痛、めまいのほか、気分が落ち込みやすくいらいらするなど、さまざまな『寒暖差疲労』の症状が出てくるということです。
久手堅院長は「あさってくらいから気温が下がり始め、週末には真冬の寒さになるので、かなり患者が増えるのではないか」と指摘しています。
そのうえで対策として、「自律神経は必ず首を通っているので、首が冷えると自律神経の乱れにつながる。入浴で首を温めたり、昼だけでなく夜寝ている間もマフラーやスカーフを巻くなどして、基本的な対策をするだけでもかなり防げると思う」と話しています。
原因は「骨格のゆがみ」+「激しい気象変動」
現代人はスマートフォンの長時間使用により姿勢が悪く、骨格がゆがむ傾向にあります。自律神経の出す信号が通る背骨にゆがみがあると、自律神経はうまく機能しません。 また、今年は異常気象が多発したために、自律神経の働きは例年に比べて低下傾向にあると予想されます。さらに、これから迎える秋冬の寒暖差も重なることで、2018年の秋冬は「寒暖差疲労」に厳重注意の時期といえます。
① 外出時や自宅で手軽にできる首温活
首の温めは寒暖差疲労対策として有効です。首は、自律神経機能として大切な役割を担い、太い血管が通っている重要な場所。しかし、外気にさらされて冷えることが多いため、温めて保護する必要があります。首が冷えてしまうと自律神経は緊張状態になり、血めぐりが悪くなって全身が冷えてしまいます。寒さが本格化するこれからの季節、冷えや疲れを感じた時には、首を温めることが効果的。蒸しタオルや温熱シートを利用して、首のうしろあたりを温めましょう。蒸しタオルなどの蒸気温熱は、乾いた熱と比べて身体に多くの熱を伝え、皮膚を深く広く温めることができます。
② 炭酸入浴
炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38~40℃のぬるめのお湯に10~20分程度つかるとリラックスモードに。炭酸なら、ぬるめのお湯でも末梢血管が拡張されて、血行が促進されるため、疲労回復にも効果的。さらに、炭酸入浴を継続すると自律神経機能が高まることがわかっています。
③ 首こり解消対策ストレッチ
タオルを使って首まわりの筋肉をまんべんなくストレッチ。回数は決めずに、気がついたときに、首の付け根から根もとまで位置をずらして行います。心地よい圧迫感でマッサージ効果も。