7月28日、春日井市王子町の王子製紙春日井工場で従業員らがアンモニア水が入ったタンクを点検していたところ、タンクにつながる配管が破裂しアンモニア水が漏れました。
この事故で、アンモニア水がかかった従業員3人が病院に運ばれ、このうち村本秀樹さんが意識不明の重体になっていましたが、2日夜、アルカリ熱傷による多臓器不全で死亡しました。
化学熱傷とは
通常の熱傷(やけど)は、熱湯や炎など高温なものが皮膚に接触することで障害を受けます。一方、化学熱傷は酸やアルカリといった刺激が強い化学物質に皮膚が触れることで障害を受けます。
通常の熱傷に比べると、化学熱傷の方が極めて損傷が大きくなる傾向にあります。また酸よりもアルカリ物質の方がより深い部分まで損傷が及びます。
化学熱傷の治療法と応急処置
化学熱傷の治療は、一概に何を行うということは言えません。なぜなら重症度や緊急度など、様々な観点から治療法が大きく異なるためです。
ですが熱傷は適切な応急処置を行うかどうかで、その後に大きな差が生まれます。万が一有毒な化学物質に触れてしまったら清潔な布で拭き取り、流水で洗い流すことが肝要です。しかし原因の化学物質が生石灰の場合は、水で洗い流してはいけません。生石灰は水と反応して発熱します。時に症状を和らげようと酸やアルカリを中和させようとしますが、中和剤はかえって損傷を酷くさせることがあるので使用しないでください。
応急処置をした後は、必ず専門のドクターに診断してもらい適切な治療を行いましょう。また広範囲や深部にまで及んでいる場合は救急搬送して治療を行わなければなりません。