昨年の大みそかに放送された日本テレビ系「ガキの使いスペシャル 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」で見せた、 ダウンタウンの浜田雅功の顔の黒塗りメイクが物議をかもし、The New York Times までも記事に取り上げる事態となっているようだ。この話題は BBC News や New York Daily News にも取り上げられ、国外にわたって波紋を呼んでいる。
番組では、アメリカンポリスの衣裳に着替えた松本人志やココリコなどのメンバーが出演する中で、浜田が『ビバリーヒルズ・コップ』でエディー・マーフィーが演じたキャラクターになりきるために顔全体に黒塗りの姿で登場した。この顔の黒塗りに対し、一部の日本在住の外国人や視聴者などから人種差別ではないかという批判の声が上がっていた。なお黒塗りを問題視する意見としては、19世紀ごろのアメリカで広まった白人が黒塗りのメイクをして訛りや動作などを真似て差別的な笑いの対象としていたミンストレル・ショーを彷ふつさせるといった指摘などが飛んでいるよう。同見世物はアメリカでは1960年代の公民権運動により、差別を助長するとされたものの1つとして衰退している。
ブラックフェイスやってる日本人に告ぐ。ブラックフェイスはジョークのオチなんかじゃない。ジョークが欲しいならもっと良い脚本家を雇え。黒人キャラが欲しいなら日本語を話す黒人を雇え。ブラックフェイスは… https://t.co/nc6ZDqJfcU
— Baye McNeil (@Locohama) 2017年12月31日
日本は好きだ。13年住んだし、日本に良いことが起きるように祈ってる。2020年オリンピックで黒人アスリートのためにブラックフェイスのドゥーワップをやらかすんじゃないかって真剣に不安だ。いますぐやめろお願いします #StopBlackfaceJapan #日本でブラックフエイス止めて pic.twitter.com/MKug38kP4f
— Baye McNeil (@Locohama) 2017年12月31日
Why Japan needs to have a conversation on racism (1) https://t.co/o07lYKoYri Preview of a TV show airing next month. pic.twitter.com/KDoDPVz6xJ
— Hiroko Tabuchi (@HirokoTabuchi) 2015年2月12日
ミンストレル・ショー(minstrel show)とは、顔を黒く塗った(Blackface)白人(特に南北戦争後には黒人)によって演じられた、踊りや音楽、寸劇などを交えた、アメリカ合衆国のエンターテインメントのこと。ミンストレルとは、原義では中世ヨーロッパの宮廷にいた吟遊詩人や宮廷道化師たちを指すが、アメリカではミンストレル・ショーに出演する芸人たちのことをミンストレルと呼んだ。
人種差別の産物
ミンストレル・ショーは、そのステレオタイプ的でしばしば見くびったやり方で黒人を風刺した。ミンストレル・ショーは1830年代に簡単な幕間の茶番劇(Entr'acte)として始まり、次の10年には完全な形を成した。19世紀の終わりまでには人気に陰りが出て、ヴォードヴィル・ショーに取って替わられた。職業的なエンターテインメントとしては1910年頃まで生き残り、アマチュアのものとしては地方の高校や仲間内や劇場などで1950年代まで存続した。
独立以来、アメリカでは黒人やインディアンをはじめとする有色人種に対する人種差別が合法なものとされていたが、人種差別との長い戦いの末に1964年に公民権法が施行され、有色人種が法的にも社会的にも人種差別に勝利し、政治的な影響を持つようになった結果、ミンストレルは人種差別を助長するものとして大衆性を失った。